介護士が働いているのは、介護施設の中だけではありません。介護が必要な高齢者の自宅で働いている介護士もいます。そういう介護士を一般的にホームヘルパーと呼びます。
ちなみに介護業界でホームヘルパーは、介護の知識を身につけた専門家として位置付けられています。この仕事に就くには、130時間にも及ぶ介護職員基礎研修を受講して専門知識を身につけたうえで、資格を取得する必要があるからです。
ホームヘルパーの仕事内容としては、主に身体介護や生活援助などがあります。身体介護の具体例としては、食事やトイレなどの基本的なことから歯磨きや着替えといった体に関することが挙げられます。
規定が厳密なのは生活援助です。生活援助の具体例としては、調理や洗濯など生活に必要なことが挙げられますが、庭の草むしりや雪かきなどは対象外となります。
議論になることが多いのは、ホームヘルパーの買い出しに関することです。事例を挙げると、ホームヘルパーが単独で買い物に行くことは仕事の範囲内であるにもかかわらず、認知症の高齢者が買い物に行く際にホームヘルパーが付き添うことは介護保険法で認められていません。かつて高齢者がホームヘルパーにさまざまな仕事を頼んで、まるでお手伝いさんであるかのように扱ったことが問題となり、生活援助の規定が厳密になったという経緯があります。
しかしホームヘルパーの人件費を利用者が全額負担するのであれば、職務外のことを依頼してもよいことになっている訪問介護事務所もあります。介護現場では利用者からの要望に柔軟に対応するため、さまざまな料金プランが組まれているのです。そのためホームヘルパーとして働くときは、その訪問介護事業所ではどのようなサービスを行っているのかよく調べることが重要となるでしょう。